■ RSA公開鍵暗号

 RSA公開鍵暗号系はこの暗号を考案した Rivest (リベスト),Shamir (シャミル),Adleman (エイドルマン)の三人の名前の頭文字をとって名付けられました(NHKの番組(新・電子立国)でも紹介されていたのでご覧になった方もいらっしゃるでしょう?)。このRSA公開鍵暗号系はその強度の根拠として素因数分解の困難さを使っています。

 『RSA の計算例』のところで説明したように,現在のところ安全性にかけては強固なセキュリティを誇っている RSA ですが,計算に時間がかかるのが欠点です。

 日本 RSA 社の FAQ ページ( http://www.rsa-japan.co.jp/faq/ )によれば,RSA は DES に比べてソフトウェア上で百分の一,ハードウェア上では千分の一から一万分の一のスピードしか出ません。ですから公開鍵暗号方式の RSA を従来の暗号方式(秘密鍵暗号方式)である DES などと組み合わせることが最も効果的です。

 つまり,通常の暗号としては DES を使い(その方が RSA を使うより計算が速い,つまり時間が短くて済む),定期的に行う鍵の交換には RSA を使うといった方法が現実的です。(どんな暗号であろうとも,同じ鍵を長期間にわたって使用し続けることは危険です。そこで,特に DES のような従来の暗号系では一週間ごとに鍵を交換するといった作業をします。鍵を送るのですから,これを解読されてしまえばそれ以後のメッセージは全て解読されてしまいます。そこで,鍵を送るなどといった極めて重要な通信には時間が多少かかってもよいので,安全性の高い RSA を使おうというわけです)  NHKの番組によると RSA 公開鍵暗号は Microsoft 社のデータベースソフト Access や,有名な WWW ブラウザの Netscape Navigator など多くのソフトウェアに組み込まれているようです。

 最新の情報は本家本元 http://www.rsas.com/ でご覧下さい。もちろん英語です。http://www.rsa.com/japan/ も参考になるでしょう。こちらは日本語です。

 http://www.rsa-japan.co.jp/faq/ には日本語で書かれた暗号に関する詳細な資料が掲載されていたのですが,現在は無くなってしまいました。残念!と思っていましたが こちらで過去のWebサイトを見ることができます ← ただし Internet Explorer の場合メニューの「表示(V)」「エンコード(D)」で「日本語(シフト JIS)」に切り替える必要があるかも知れません。必見です。是非ご覧下さい。英語でも良ければ Frequently Asked Questions ( .pdf format - 848K ) をダウンロードすると良いでしょう。

http://www.rsa.com/rsalabs/ の「HISTORICAL」「Crypto FAQ」で英語の FAQ も参考になります。http://www.rsa.com/japan/news/securitynews/index.html でセキュリティ・ニュースの購読もできます。

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