■ 公開鍵暗号系

 1976年にスタンフォード大学のDiffe,Hellmanは公開鍵暗号系の概念を発表しました。

 公開鍵暗号系では自分宛にメッセージを送ってもらうときの「暗号化鍵」を大胆にも公開してします。この「暗号化鍵」は「公開鍵」とも呼ばれ,責任ある公的な機関(たとえば図書館のような場所)で公開して誰でも調べられるようにします。これに対し公開鍵で送ってもらったメッセージを解読するための「復号化鍵」は「秘密鍵」とも呼ばれます。秘密鍵は自分自身しか知らない鍵です。こうすれば全ての人は自分自身しか知らない秘密鍵を一本だけ持っていれば事足ります。ネットワーク上の誰とであれ,相手先の公開鍵を調べて,その鍵で暗号化したメッセージを送ることで即通信をすることが出来ます。

 しかし,シーザー暗号のような従来の方法では暗号化鍵が分かってしまうと復号化鍵もばれてしまうので安全性が揺らいでしまいます。そこで,暗号化する鍵が分かっても,復号化する鍵を解読することはほぼ不可能であるといった「一方通行」の関数が必要となってきます。この「一方通行」の関数として使われるのが素因数分解です。

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